2011年4月14日木曜日

「所有ゼミ」を終えての所感:<所有>と帰属(TO)

ヤマカッコをつけて何とか語意の共通基盤をつくっているとはいえ、<所有>が何を指し示すのか、出口が見つからない。入口すら分からないともいえる。ただ、芸術文化分野の現場で働いていると、<所有>が問題の中核にあることは掴めている。
 ここ数年で気づくことは、人間を所有すること――逆から見れば、帰属意識――が現場では変容してきている、という点だ。ある方向性を指し示す組織なり団体で働くことを選ばなければ、一匹オオカミとしてフリーランスで動くしかなかったように思う。
しかし、私が出会う若くて優秀なスタッフは、組織を背負わず、上手に看板を利用し、利益が相反しかねない団体同士が散らす火花をかいくぐって、鮮やかに何事かをなし遂げている。気がつけば、そんな人ばかりだ。人間を所有する側の組織は、この変化に、どこもまったく追いついていない。
 人が手のひらでにぎりしめているものは、お金だけじゃない。じゃあ何を持っているのか。もう少し探っていきたい。

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