もともと私がアートの道に進もうと思ったのは、アートに対して否定的な人の多さに気付き、その状況に違和感を持ったことがきっかけでした。そして、多くの人にアートの楽しさを伝えられる方法はどうすれば良いかばかりを考えてきました。
今 回のゼミで集まったメンバーは多種多様で、アートの良い面に限らず様々なテーマに渡って議論をすることができました。3名の講師の方の講義では直接アート 関係することは少なかったのですが、自分の知らないことを多く学ぶ機会になり、逆にアートについて考えることになりました。また、タイムリーというかマイケル・サンデルの「正義論」が話題になりました。その中で「自由」「平等」「愛」「正義」などがテーマとして挙げられ、このゼミとの類似点を感じ参考にな りました。
さ て、ゼミではまず初めに立岩氏の「私的所有論」を読んだわけですが、それまで所有とアートの関係というものを漠然と共有的な認識で捉えていたため、初めに 読んだ感想は、私的所有?他者?この関係って・・・?これがアートとどう結びつけることができるのだろうか?と混乱気味でした。しかしながら、様々なテー マで議論しているうちに、自分がアートを特別視しすぎていることに気が付きました(アートは特別であり、共有することに意味があると思っていた自分がいま した)。アートには多角的側面があるのだから、他者のアートに対しての思いも多様であっても良いということです。初めは実感できなかったアートと所有の関 係ですが、そのような形で自分の中では一区切りできたと思っています。
現 状ではいわゆる多様性であることがアートにとって良い点であると同時に、そこがアートを否定する材料になってしまっているのが残念です。ただ、アートにつ いて何らかの議論ができることは良いことであり、今後時代に即したアートと社会について考えていかなければならないと考えています。
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